2025年4月24日のサステナビリティトピック
2025年4月24日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュースやレポート、論文から、グローバル企業の新たな取り組みや業界全体の動向を厳選してご紹介します。ESG(環境・社会・ガバナンス)分野で注目すべき事例や市場動向を把握し、自社の持続可能性戦略に活かすためのヒントとしてご活用ください。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. Metrc社:プラスチック削減と植樹による新たなサステナビリティコミットメント
米国フロリダ州に本拠を置くMetrcは、植物管理タグの設計刷新によってプラスチック使用量を30%削減し、生産過程で発生する廃棄物も46%削減したことを発表しました。これにより年間約185,000ポンド(約84トン)の廃棄物が埋立地への流入から回避され、295メートルトン相当のCO2排出抑制効果が見込まれています。また、従来使用していた帯電防止用ピンク色バッグも持続可能な茶色パッケージへ切り替え、年間11,000ポンド(約5トン)のプラスチック除去につながります。さらにアーバーデー記念として5,000本の植樹も実施。同社は今後も外部専門家と連携し、更なる環境負荷低減策を模索するとしています。
2. LEGOグループ:水資源保全への革新的アプローチ
デンマーク・ビルン市に本拠地を置くLEGOグループは、自社オペレーションによる環境負荷最小化への継続的コミットメントとして、水資源保全に関するイノベーティブなソリューション導入について公表しました。具体的には工場内で再利用可能な水循環システムや、省エネ型浄水技術など先進的手法が採用されています。同時に地域社会との協働にも力点が置かれており、水ストレス地域で子どもの教育支援活動とも連動しています。
(出典:https://www.lego.com/en-us/aboutus/news/2025/april/innovative-water-solutions-for-sustainability)
3. データセンター業界:依然として優先度低い「持続可能性」
ITインフラ分野では依然として建設段階で「持続可能性」が主要課題とは認識されていない現状が明らかになりました。多くの場合コスト効率や運用安定性が優先されており、省エネ設備導入などESG観点から十分とは言えない状況です。一方、一部大手事業者では再生可能エネルギー調達拡大等前向きな動きも見られるため、中長期的には意識変容と投資加速が期待されています。
(出典:https://www.theregister.com/2025/04/24/sustainability_still_not_a_high/)
4. キヤノン株式会社:「統合報告書」「サステナビリティレポート」最新版公開
キヤノン株式会社は、「Canon Integrated Report 2025」および「Canon Sustainability Report 2025」を同時公開しました。本年度版では経営戦略、人材・知財戦略だけでなく、新設された「サステナビリティ委員会」の活動内容や気候変動対応シナリオ分析など、多角的視点から自社価値創造プロセスとESG課題解決への取り組み状況が詳述されています。また製品・技術による社会的インパクト事例紹介にも重点がおかれています。
(出典:https://global.canon/en/news/2025/20250424.html)
5. サステナブル製造市場:2032年までCAGR11%以上成長予測、市場規模52兆円超へ
SNS Insiderによる最新調査レポートでは、「サステナブル製造市場」は2032年まで年平均成長率11.31%という高い伸び率となり、市場規模5236億ドル(約52兆円)超へ到達すると予測されています。その背景には各産業分野で省エネ技術導入や循環型経済モデル推進、消費者志向変化等があります。また競争力強化策として透明性あるバリューチェーン構築事例も増加傾向です。本レポート内では3M社やテスラ等グローバル企業による脱炭素化実践例にも触れられています。
まとめ
昨日(4月24日)は、多様な産業領域から具体的かつ実効性あるサステナブル施策発表が相次ぎました。特筆すべきはMetrc社による大胆なプラスチック削減策と植樹活動、およびLEGOグループの水資源イノベーションです。一方データセンター建設現場では依然課題意識不足という指摘もありました。
また、日本企業代表格キヤノンは統合報告書/サステナビリティレポート最新版公開を通じて情報開示強化姿勢を鮮明にしています。そして世界規模でも脱炭素型ものづくり市場拡大傾向—この潮流下、自社でもバリューチェーン全体視点から中長期ロードマップ再検討・アップデート検討余地があります。