2025年5月23日は、米国を中心にサステナビリティ分野で注目すべき動きが複数見られました。特に連邦レベルでの税制改革によるクリーンエネルギー政策への影響や、地方自治体・行政機関による持続可能な交通・土地利用推進策など、多角的な視点から今後のESG戦略を考える上で重要な示唆となるニュースが発信されています。本コラムでは、その中でも特筆すべき最新トピックとともに、昨日投稿された主要記事・ニュースリリースを要約し、ご紹介します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. 米国新税制法案がクリーンエネルギー推進へ及ぼす深刻な懸念
米国下院は2025年5月23日、大規模減税や医療制度改革などを盛り込んだ新たな税制法案を可決しました。この法案にはバイデン政権下で拡充された再生可能エネルギー関連の各種優遇措置(例:太陽光発電やEV購入支援等)の早期廃止や縮小も含まれており、専門家は「国内脱炭素化努力への大きな逆風」と警鐘を鳴らしています。インフレ抑制法(IRA)によって実現した過去最大規模のクリーンエネルギー投資も一部巻き戻される見通しです。一方、一部共和党議員からは従来型および再生可能双方への支援継続要望も出ており、今後議会内外で激しい議論が予想されます。
(出典:https://abcnews.go.com/US/gop-tax-bill-impact-sustainability-efforts/story?id=122085826)
2. サンアントニオ市:低所得層向けEバイク普及プログラム本格始動
テキサス州サンアントニオ市では、市民向け持続可能交通施策として「低所得者向けEバイク助成金パイロットプログラム」を展開。2025年5月23日付で244台分のEバイク助成金交付実績が公表されました。同市オフィス・オブ・サステナビリティ主導によるこの取り組みは、自家用車依存度軽減と温室効果ガス排出削減のみならず、「移動手段格差」の是正という社会的側面にも配慮した先進事例です。
3. EPA:カンザス州ほか全米各地へブラウンフィールド浄化助成金総額2.67億ドル拠出決定
米環境保護庁(EPA)は同日、「ブラウンフィールド浄化」事業として全米コミュニティへ総額2.67億ドル(約400億円)の補助金交付決定を発表。そのうちカンザス州には約400万ドル分配されます。本プログラムは長期放置された汚染土地等を商業用地や住宅地等へ転換することで経済活性化と環境保全双方につながるもの。「経済成長と環境責任ある開発」の両立モデルとして注目されています。
4. 欧州粉末冶金協会(EPMA):2025年度「サステナビリティ賞」応募受付開始
欧州粉末冶金協会(EPMA)では産業界横断型イノベーション促進施策として「EPMA Sustainability Award 2025」の募集開始を告知しました。同賞は材料工学領域におけるCO₂削減技術、新素材開発、省資源設計等多様なテーマ対象となっており、欧州市場のみならずグローバル産業界から高い関心が寄せられています。[4]
(出典:https://www.pim-international.com/applications-open-for-epmas-sustainability-award-2025/)
まとめ
昨日(2025年05月23日)は、とくに北米地域から以下3つの潮流変化/先端事例情報が相次ぎました。
1. **連邦レベル政策変更**:大型減税法案成立によって再生可能エネルギー関連インセンティブ縮小=企業投資判断基準変更必至。
2. **地方自治体主導型ソフトモビリティ普及**:「公平性」「包摂性」を重視したEバイク普及モデル登場。
3. **官民連携型土地利用最適化**:「使われていない都市空間」を活用した経済循環&コミュニティ強靭化プロジェクト加速。