2025年5月26日、世界各地でサステナビリティ分野に関する重要な発表や動きが見られました。特に、自動車産業のカーボンニュートラル戦略を分析した最新レポートや、国際的な森林炭素プロジェクトへのパブリックコメント募集など、グローバル企業・団体による持続可能性推進の取り組みが顕著です。本コラムでは、その中でも特筆すべき最新トピックを中心に、昨日投稿された主要ニュース・論文を要約しながら解説します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. 自動車産業:カーボンニュートラル実現へ向けたグローバルOEMの戦略分析
北米自動車カーボンファイバーマーケット展望2030(2025年5月26日発表)は、自動車メーカー(OEM)によるカーボンネットゼロ達成への多角的アプローチを詳細に分析しています。
本レポートは以下の点で注目されます。
– 米国・欧州・中国など主要市場で導入されているZEV(ゼロエミッションビークル)クレジット規制とその計算手法、多重化措置について解説。
– サプライチェーン全体で脱炭素化を進めるための持続可能な調達や先端技術導入事例。
– カーボンネットゼロ実現が市場競争力強化につながっていること、および地域ごとの規制環境や技術革新が脱炭素化戦略形成に与える影響。
このような包括的視点から、自動車産業全体として「単なる排出削減」から「事業構造そのものの変革」へと舵を切りつつある現状が浮き彫りになっています。
国際認証機関Verra:森林炭素固定等11件、新規プロジェクト公開コメント開始
気候変動対策分野では、Verra(世界最大級の自主型カーボンクレジット認証機関)が新たに11件ものプロジェクトについてパブリックコメント受付開始を発表しました。主な内容は以下です。
– ホンジュラス山岳地帯での森林炭素固定
– インド「Greening India Mission」
– アルゼンチン草原地帯で在来種・外来種混合植林
– パプアニューギニア改良型かまど普及
ほか農業適応/緩和型プロジェクト等、多様な地域・テーマが対象となっています。
これらは今後数週間~1ヶ月程度パブリックコメント期間となり、市民社会や専門家から意見募集→最終登録審査という流れになります。透明性確保と信頼性向上という観点からも重要度は高く、「質」の高いオフセット創出への期待も集まります。
(出典:https://verra.org/projects-open-for-public-comment-may-26-2025/)
3. マレーシア:持続可能観光推進フェスティバル開催へ
マレーシア政府主導による「Visit Malaysia Year 2026」に向けたサステナブルツーリズム推進イベント開催情報も報じられました。同イベントには昨年2万6千人超が参加しており、「観光×環境配慮」の両立モデルとして東南アジア域内外から注目されています。
(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-may-19–25–2025/)
4. EU:森林破壊防止法案めぐる加盟国間協議激化
EU域内では、新たなデューディリジェンス義務付け等含む「森林破壊防止法案」を巡って複数加盟国より緩和圧力が強まっているとの報道もありました。この背景には経済界との利害調整難航や政策実効性担保への懸念があります。「ESG投資家」「消費者」双方から厳しい視線も集まりそうです。
(出典:https://impakter.com/esg-news-eu-faces-pressure-weaken-deforestation-laws/)
まとめ
昨日(2025年5月26日)は、自動車産業大手による脱炭素経営加速、およびグローバル認証機関Verra主導下で多様かつ大規模な自然由来クレジット創出案件群への市民参加促進など、「移行期」にある世界経済全体として“質”重視型サステナビリティ潮流拡大の日となりました。またEU域内では政策面でも活発な議論継続中です。一方、新興国マレーシアでも官民連携型観光振興策=SDGs時代ならでは施策展開例として紹介できそうです。
**特筆すべきポイント**
本日の目玉情報は、「自動車セクター全体として“製品”のみならず、“バリューチェーン丸ごと”再設計することで真剣にネットゼロ社会構築へ挑む姿勢」が明確になったこと。そして、それぞれ異なる地域課題―熱帯林保護/農村部生活改善/都市部交通電化―にも対応した多層的ソリューション創造こそ今後求められる方向性だと言えるでしょう。
引き続き各社担当者様には、“個別施策”だけでなく“統合的価値創造ストーリー”設計をご検討いただくことをおすすめします。
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