2025年6月18日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュースや論文、政策動向をまとめました。昨日は、米国・EUのESG規制動向や企業戦略への影響、消費者意識調査、新たなグリーンイノベーション支援策など、多角的な視点から重要な発信がありました。本コラムでは、その中でも特に「米国・EUで進むESG規制と企業のネットゼロ戦略見直し」を目玉トピックとして取り上げます。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. 米国・EUで進むESG規制と企業のネットゼロ戦略見直し
2025年6月18日付で公表された「ESGエグゼクティブ・ブリーフィング」では、米国および欧州連合(EU)における政策変化が企業の持続可能性戦略、とりわけネットゼロ目標達成ロードマップに大きく影響していることが強調されました。
主なポイントは以下です。
– 米国では関税強化やバイデン政権下で導入された税額控除制度への削減提案などによって、電気自動車(EV)、グリーン水素、風力・太陽光発電といったエネルギー転換技術への投資環境が厳しくなっています。
– EUでは一部規制緩和やSBTi(Science Based Targets initiative)による簡素化された新しいネットゼロ基準導入により、中長期的にはコンプライアンスコスト低減も期待されています。
– 国際海運分野ではIMO(国際海事機関)のカーボンプライシング制度導入を受けて、多くの企業がサプライチェーン全体を再評価する必要性に迫られています。
これら複合的要因から、「透明性」と「実効性」を両立した新たなESG経営モデル構築へ各社が舵を切り始めていることが明らかになりました。
2. 生鮮食品業界:消費者によるサステナビリティ評価意識調査
生鮮食品業界専門メディア『The Packer』は、「Fresh Trends 2025」と題した消費者アンケート結果を公開しました。
主な内容:
– サステナブル農法、大型機械利用からパッケージ選定まで、生産現場から流通、小売まで一貫して“持続可能性”重視傾向が拡大。
– 消費者側も購入時に生産背景や環境配慮ラベル等を積極的に確認する割合が増加しています。
このような市場変化は今後、日本国内外問わず食料品流通全体にも波及すると考えられます。
3. グリーンイノベーション助成金:大学コミュニティ主導プロジェクト支援
米Bates Collegeは、「グリーンイノベーション助成金」採択プロジェクト一覧を公表しました。今年度は演劇活動やキャンパスガーデン等、多様分野横断型で最大1万ドルまで支給されます。学生主体による創造的かつ実践志向型プロジェクト推進例として注目されます。
ベナン共和国:IMFレジリエンス&サステナビリティ枠組み審査完了
IMF理事会は、西アフリカ・ベナン共和国について拡張信用枠およびレジリエンス&サステナビリティファシリティ第三次審査完了を承認しました。同国政府による気候変動対応策推進、および社会インフラ整備計画への資金供与継続方針も示されています。途上地域でも着実にSDGs達成へ歩み寄っている好例です。
4. ニューヨーク州議会:プラスチック包装廃止法案等 環境関連法案審議停滞
ニューヨーク州議会では下水汚泥(土壌改良材用途)の使用一時禁止法案など複数環境関連法案について、本会議採決見送りとなりました。一部大手廃棄物処理会社等との利害対立も背景となっています。「循環経済」「土壌汚染防止」の観点から今後再度注視すべきテーマです。
(出典: https://www.wxxinews.org/new-york-public-news-network/2025–06–18/)
まとめ
昨日6月18日は、世界各地で多様かつ専門性高いサステナビリティ関連情報発信が相次ぎました。その中でも特筆すべきなのは、「米欧主要市場で加速する政策転換と、それに伴う企業側のネットゼロ/脱炭素ロードマップ再設計」です。また、市場側面として消費者行動変容、新興地域政府×多国間金融機関連携、高等教育現場起点の草の根活動活発化など、“トップダウン”と“ボトムアップ”双方から持続可能社会構築へ前進している姿勢もうかがえます。