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ブラジル「環境破壊法案」可決とグローバル規制動向

2025年7月17日は、世界のサステナビリティ分野で大きな動きが見られた一日となりました。特にブラジル議会による環境規制緩和法案の可決は、国際的にも波紋を呼んでいます。また、米国では石炭灰管理に関する新たな規制延長が発表されるなど、各国で政策・規制の変化が加速しています。本コラムでは、昨日投稿された主要な記事やニュースリリースをもとに、その最新動向を解説します。

目次

 昨日のサステナビリティ最新トピック

1. ブラジル議会、「環境破壊法案」を可決――40年ぶり最大級の後退

2025年7月17日未明、ブラジル下院は「環境破壊法案」とも呼ばれる新しい環境ライセンス制度緩和法案を賛成267票・反対116票で可決しました。この法律は、大型開発プロジェクト(鉱山ダム等)への影響評価義務を大幅に緩和し、「自己申告による即時承認」制度(License by Adhesion and Commitment)などを導入。これにより地方政治家への裁量権拡大や先住民・伝統コミュニティへの深刻な影響が懸念されています。マリーナ・シウバ環境相は「この法律は我が国最大級の保護手段へ致命傷となる」と強く批判しており、市民社会やNGOからも強い反発が広がっています。

(出典:https://news.mongabay.com/2025/07/brazils-congress-passes-devastation-bill-in-major-environmental-setback/

2. 米EPA:石炭灰管理プログラムのコンプライアンス期限延長へ

同日、米国EPA(環境保護庁)は石炭燃焼残渣(CCR:Coal Combustion Residuals)の管理ユニット要件について、新たな最終規則および提案書を公表しました。これにより施設評価報告書提出期限、および地下水モニタリング要件等について、それぞれ2027年2月8日/2029年8月8日まで延長されます。この措置は電力業界への負担軽減とエネルギー供給安定化策として位置付けられており、「クリーンエネルギー推進」と「経済合理性」の両立という米政府方針の一端です。

(出典: https://www.epa.gov/newsreleases/epa-announces-next-set-actions-coal-ash-program

3. フローリング業界サミット開催――建築分野横断的連携強化へ

ワシントンD.C.では「フローリング・サステナビリティ・サミット 2025」が開幕し、多様な業界団体や企業トップによるパネルディスカッションやワークショップが行われました。USGBC(全米グリーンビルディング協会)、AIA(アメリカ建築家協会)、GBIなど主要組織間でオープンかつ戦略的な意見交換がおこなわれており、「早期対応」「バリューチェーン全体連携」「市場主導型イノベーション」の重要性が再確認されています。同イベント初日は今後数年間の建設資材産業全体として持続可能性目標達成へ向けた方向性提示となりました。

(出典: https://www.fcnews.net/2025/07/flooring-sustainability-summit-2025-kicks-off-with-powerful-first-day/

まとめ

昨日7月17日は、とくにブラジル下院による歴史的とも言える脱 環境保護政策転換という重大ニュースとともに、米国EPAによる石炭灰関連規制猶予措置など、持続可能性 をめぐって各地で異なるベクトルの政策変化が顕著になった一日でした。一方でフローリング産業界では多様プレイヤー間連携強化という前向きな潮流もみられます。

本日の目玉情報として取り上げたい点は、グローバルレベルでも依然として“経済合理性” と “自然資本保全” のせめぎ合いです。特定地域だけでなく、多層的かつ複雑につながった現代社会だからこそ、一つひとつの日々のできごとの意味合い、その波及効果まで注視する必要があります。当社コンサルタントチームでも引き続き各種動向分析ならびに実務インパクト評価をご提供してまいります。

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