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米国EPAが温室効果ガス規制の法的根拠撤廃を提案――気候政策に大きな転換点

2025年7月31日は、米国環境保護庁(EPA)による温室効果ガス規制の根幹を揺るがす動きや、大学・製造業界での新たなサステナビリティ推進事例など、多様な分野で重要な発表が相次ぎました。本コラムでは、昨日投稿された海外の専門性高いニュースや公式リリースから、ESG担当者として押さえておくべき最新動向を厳選してご紹介します。

目次

昨日のサステナビリティ最新トピック

1. 米国環境保護庁(EPA)、温室効果ガス規制の法的基盤「エンデンジャーメントファインディング」撤廃を提案

米国環境保護庁(EPA)は2025年7月31日、「エンデンジャーメントファインディング」(2009年制定)と呼ばれる温室効果ガス排出規制の法的基盤となっていた判断を撤回する方針を発表しました。これはオバマ政権下で導入されて以来、連邦レベルでCO₂等GHG排出抑制策に不可欠だったものであり、その撤廃は今後全米における気候変動対策・産業界への影響が極めて大きいと考えられます。現時点ではパブリックコメント期間中ですが、この方針転換は企業経営層・ESG担当者にとって重大な政策変化となります。

(出典:https://www.haynesboone.com/news/alerts/epa-proposes-repeal-of-legal-foundation-for-greenhouse-gas-rules

2. ロードアイランド州:グリーン認証プログラム開始―3社が初認定取得

ロードアイランド州環境管理局(DEM)は同州製造業協会との連携で、新たに「グリーン製造認証」プログラムを創設し、第1号としてSenesco Marine社、Raytheon Company社、およびWard’s Manufacturing社の3社へ認証授与したことを発表しました。この制度は、省エネ運用や廃棄物削減など持続可能性への取り組み実績ある企業へ与えられるものであり、中小~大手まで幅広いメーカーによるESG推進活動へのインセンティブ強化につながります。

(出典:https://dem.ri.gov/press-releases/lean-green-manufacturing-machine-three-businesses-earn-dem-green-certification

3. 米大学キャンパス:Duke Energy支援によるEV充電設備・再生可能エネルギー活用拡大へ

フロリダ州立南フロリダ大学セントピーターズバーグ校では、大手電力会社Duke Energyから総額48,000ドル超の投資支援を受け、新たな急速EV充電器4基設置やソーラーパワー活用型屋外学習スペース増設、ごみ分別促進用新型ごみ箱32台導入など、一連のカーボンニュートラル施策強化プロジェクトが始動しました。教育機関×民間企業連携による脱炭素社会モデルケースとして注目されます。

(出典:https://www.stpetersburg.usf.edu/news/2025/new-campus-sustainability-efforts-boosted-by-duke-energy-investments.aspx

4. EPAと金属加工企業Monarch Metal Finishing Co.との間でクリーンエア法違反是正合意成立―有害排出削減へ前進 

米国EPAボストン支局はRhode Island州所在金属メッキ加工会社Monarch Metal Finishing Co., Inc.との間で、大気浄化法違反是正措置及び罰金157,041ドル納付について合意したことを公表しました。同社2工場はいずれも揮発性有機化合物(VOC)等有害物質排出管理義務違反等が指摘されていました。本件対応は地域住民健康保護のみならず産業界全体へのコンプライアンス啓発にもつながります。

(出典:https://www.epa.gov/newsreleases/epa-works-rhode-island-metal-plater-resolve-clean-air-act-compliance-issues-two

まとめ

昨日は特筆すべき政策転換として、「米国EPAによるGHG規制根拠撤回提案」が最大級ニュースでした。これまで世界最大級経済圏だった米国内でも脱炭素ドライブ後退懸念が高まっており、日本含む多国籍企業には今後さらなる自主的イニシアチブ構築や各市場ごとのレギュレーションウォッチ体制強化が求められます。

一方、地方自治体主導型グリーンプログラム創設や教育機関×民間協働モデル事例、有害物質管理徹底事例など、“現場”レベルでは着実かつ多様な形態で持続可能性推進活動も加速しています。

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