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科学技術イノベーション×政策×地域社会の三位一体型サステナブル推進事例

2025年8月25日に世界各地で発表されたサステナビリティ関連の最新ニュース、研究成果、政策動向を厳選し、ESGコンサルタントの視点から要約・解説します。昨日は「グリーンケミストリーの革新」「水資源持続化への大型投資」「気候変動と農業危機」「都市部の熱格差問題」など、多様な分野で重要な進展が見られました。特に注目すべきは、米国化学会によるグリーンケミストリー賞受賞者発表です。これは産業界全体に波及するインパクトを持つイノベーションとして、本日の目玉情報として取り上げます。

目次

昨日のサステナビリティ最新トピック

1. グリーンケミストリーが切り拓く未来:米国化学会「グリーンケミストリーチャレンジ賞」受賞者発表

米国化学会(ACS)は2025年度「グリーンケミストリーチャレンジ賞」の受賞者を発表しました。今年度は医薬品製造プロセスのクリーン化、循環型バッテリー生産、有害PFAS不使用消火剤、廃棄物再利用技術、省エネ型消費財など多岐にわたる分野で革新的な成果が認められています。

特筆すべきはスクリプス研究所Keary M. Engle教授による空気安定性ニッケル触媒開発です。この触媒は従来必要だった不活性雰囲気下での保存工程を不要とし、大幅な省エネルギー・低コスト・安全性向上につながります。医薬品や高機能材料合成にも応用可能であり、「科学技術×環境配慮」の両立モデルとなっています。

(出典:https://www.acs.org/pressroom/newsreleases/2025/august/acs-green-chemistry-challenge-awards-honor-innovators-in-sustainable-chemistry.html

2. 世界的干ばつと農業危機:シリア・トルコ・セルビア・ハンガリー

Sustainable Switch Newsletterによれば、中東および東欧4カ国(シリア/トルコ/セルビア/ハンガリー)では深刻な干ばつ被害が拡大しています。シリアでは36年ぶり最悪レベルとなり、小麦収穫量が40%減少。トルコでは飲料水不足も顕在化しています。またセルビアでは家畜死亡例増加、ハンガリーでも作物枯死被害が報告されています。

(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-august-18-25-2025/

3. プラスチックごみ対策:ポリスチレン分解能力を持つ昆虫腸内細菌(セルビア)

同じくSustainable Switch Newsletterより、セルビア科学者らによって「ミールワーム(ゴミムシダマシ幼虫)」腸内細菌によるポリスチレン分解メカニズムが実証されました。この方法では微小プラスチック残渣も生成せず、安全かつ効率的な廃棄物処理法として期待されています。

(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-august-18-25-2025/

4. 都市部ヒートアイランド格差:マドリード市内調査結果

スペイン・マドリード市内調査報告書によれば、公園や樹木密集地区とそうでない地区間には最大2.8℃もの温度差があります(41.4℃ vs 38.6℃)。特に貧困層居住区ほど緑地不足かつ冷房設備未整備という二重苦状態。「都市緑化推進」が社会的公正にも直結する課題として浮上しています。

(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-august-18-25-2025/

5. 中国CO₂排出量減少傾向:再生可能エネルギー拡大効果分析

Centre for Research on Energy and Clean Air の最新分析結果より、中国国内CO₂排出量は今年前半期1%減少しました。電力部門単独でも3%削減達成しており、その主因は石炭使用量3%減&太陽光発電急増。一方、一部石炭液体燃料工場からの排出増加も指摘されています。

(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-august-18–25–2025/

6. 米国ノースカロライナ州ソーラー税制優遇措置議論継続中

ノースカロライナ州議会ではユーティリティ規模ソーラー事業への固定資産税80%軽減措置撤廃案について議論継続中です。同州は全米第4位規模まで太陽光導入拡大しており、「農地収益多角化」と地域経済活性効果とのバランス調整策検討段階です。

(出典:https://www.wfae.org/energy-environment/2025–08–25/climate-and-environmental-legislation-to-watch-in-raleigh

7. ジョージア州森林炭素市場創設&SAF新拠点支援等(米国)

ジョージア州森林炭素市場創設、新たな持続可能航空燃料(SAF)供給拠点支援など複数プロジェクト進捗報告あり。「地域主導型脱炭素モデル」として注目されます。

(出典:https://www.morningstar.com/news/accesswire/1064865msn/brightening–our–corner–august–2025

7. コロラド州ダグラス郡 水資源持続確保へ連邦予算獲得 

ダグラス郡(コロラド) は非再生地下水依存から脱却し、水道供給安定へ転換するため連邦予算獲得。その一環としてPlum Creek〜Rueter-Hess Reservoir間パイプライン建設計画推進中。「人口増加×水需給逼迫」に対応した先端事例と言えます。

(出典:https://www.douglas.co.us/water-sustainability-priority-avances-through-federal-funding-award/

まとめ

昨日8月25日は、「科学技術イノベーション×政策×地域社会」の三位一体型サステナブル推進事例が多数登場しました。

本日の目玉情報 は【ACS グリーンケミストチャレンジ賞】受賞内容です。“空気安定性ニッケル触媒”など基礎科学領域から実装フェーズまで広範囲に波及する成果群には、日本企業にも参考になるポイントが多数存在します。

また世界各地で顕在化した“極端気象”“都市ヒートアイランド”“水需給逼迫”問題、“中国CO₂削減”や“ソーラー税制優遇見直し”等政策面でも重要局面を迎えています。

今後もこうした海外先行事例や専門知見を積極的にキャッチアップし、自社戦略立案時には横断的視点から応用検討いただくことを強く推奨します。本日紹介した各記事詳細についてご関心ある方は担当ESGコンサルタントまでお問い合わせください。

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