2025年11月12日、世界のサステナビリティ分野では、企業の環境対策や社会貢献の取り組みに加え、気候変動対応と人材育成を一体化する国際的な動きが注目されました。特に、COP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)で発表された「グローバル・ジョブ・アンド・スキルズ・イニシアティブ」は、今後のサステナビリティ戦略において「人材育成」が中心軸となることを示唆しています。本コラムでは、この日の主要なニュースリリースや専門メディアの記事をもとに、最新のサステナビリティ動向を解説します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
グローバル・ジョブ・アンド・スキルズ・イニシアティブがCOP30で発表
2025年11月12日、ブラジル・ベレンで開催されたCOP30において、政府、企業、市民社会、財団のリーダーたちが「グローバル・ジョブ・アンド・スキルズ・イニシアティブ」を発表しました。このイニシアティブは、低炭素・レジリエント経済への移行において、人々の雇用とスキル開発を最優先課題とするものです。SystemiqとWorld Resources Institute(WRI)による最新研究では、気候変動対応の推進により、今後10年間で世界全体で約3億7500万件の新規雇用が創出されると予測されています。特に再生可能エネルギー、建設、自然ベースソリューションの分野で雇用が増加するとされ、適応活動(インフラのレジリエンス強化など)も2億8000万件の雇用創出につながるとされています。WRIのAni Dasgupta CEOは、「脱炭素化の課題は、人々のスキルとポテンシャルへの投資によって成長と共有の繁栄のエンジンに変えることができる」と述べています。
接着剤業界のサステナビリティ革新
専門メディアFCNewsは、接着剤メーカー6社の取り組みを紹介する特集記事を2025年11月12日に掲載しました。Sika CorporationのJohn Lio氏は、「生分解性素材、リサイクル素材、第三者認証、LEEDやカリフォルニア州建築基準への適合性など、多面的な評価基準を導入している」と述べています。同社の最新製品「SikaBond T-85」は、VOC(揮発性有機化合物)や溶剤、イソシアネートを含まず、LEEDクレジットにも貢献し、米国環境保護庁(EPA)やカリフォルニア州の基準にも適合しています。業界全体として、環境性能と製品性能の両立が進んでいることが明らかになっています。

ノースカロライナ大学グリーンビルディングのサステナビリティ取り組み
ノースカロライナ大学グリーンビルディング(UNCG)は、2025年11月12日に同大学のサステナビリティ担当者Sean MacInnes氏のインタビューを掲載しました。記事では、大学のキャンパスにおけるエネルギー効率化、廃棄物削減、学生参加型の環境教育プログラムについて紹介しています。特に、学生が主体的に参加するサステナビリティプロジェクトや、地域との連携による環境教育の強化が注目されています。

まとめ
2025年11月12日は、サステナビリティ分野において「人材育成」と「環境技術革新」が融合する重要な一日となりました。COP30で発表された「グローバル・ジョブ・アンド・スキルズ・イニシアティブ」は、気候変動対応と雇用創出、スキル開発を一体的に推進する国際的な枠組みとして、今後の企業戦略に大きな影響を与えるでしょう。企業は、環境対策だけでなく、従業員や地域社会の人材育成にも注力することが求められています。
また、接着剤業界の事例からもわかるように、製品開発においても環境性能と製品性能の両立が進んでおり、業界全体のサステナビリティ水準が向上しています。大学などの教育機関も、学生や地域社会との連携を強化し、実践的な環境教育を推進しています。
今後、企業のサステナビリティ戦略は、環境対策、人材育成、地域貢献の3つの柱をバランスよく推進することが重要です。特に、COP30で示された「人材育成」の重要性を踏まえ、企業は自社のESG戦略に人材開発を組み込むことが求められます。

