2025年11月24日は、世界のサステナビリティ分野で複数の重要な動きが報じられた日となりました。特に、COP30(国連気候変動枠組条約第30回締約国会議)の閉幕に伴う各国の声明や、森林減少リスク評価の新たな進展、欧州のサステナビリティ報告基準の簡素化、アフリカ諸国の持続可能な経済成長戦略など、グローバルな視点で多様なトピックが浮き彫りとなりました。本コラムでは、昨日発表された主要な記事・リリース・論文を要約し、サステナビリティの最新動向を解説します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
COP30閉幕:化石燃料への直接言及なき合意と今後の課題
COP30(ベレン、ブラジル)は、化石燃料(石炭・石油・ガス)への直接的な言及を含まない合意で閉幕しました。サウジアラビアやロシアなどの産油国の強い抵抗により、最終合意文書から化石燃料に関する記述が削除されました。国連事務総長アントニオ・グテーレス氏は、サウジアラビアが主要な妨害役であったと指摘しています。一方で、気候協力の継続や、1.5℃目標の重要性が再確認されました。今後のCOP31(2026年、トルコ開催)では、オーストラリアが交渉を主導することが決定し、化石燃料問題の再浮上が期待されています。また、再生可能エネルギーの推進や、気候ファイナンスの課題、エネルギー効率目標の未達など、多岐にわたる論点が浮き彫りとなりました。
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カナダ政府:COP30での包括的・持続可能な気候行動の推進
カナダ環境・気候変動大臣は、COP30閉幕に際し、1.5℃目標の達成に向けた包括的かつ持続可能な気候行動の重要性を強調しました。カナダは、気候競争力戦略を通じて国内外での排出削減とクリーン経済の推進に注力しており、COP30では国際気候ファイナンスの拡充(2035年までに年間1.3兆ドル規模を目指す)や、メタン排出削減の国際的リーダーシップを表明しました。また、ブラジル・アマゾンの持続可能な開発支援や、GHGSat等の衛星技術を活用した温室効果ガス監視の強化も発表されています。
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ペルーの森林減少リスクマップ最終版公開:REDDプロジェクトの新たな基盤
国際認証機関Verraは、ペルーにおける「非計画的森林減少リスクマップ」の最終版を公開しました。これにより、REDD(森林減少・劣化の削減)プロジェクトの登録に必要な基礎データが整備され、プロジェクトの排出削減量算定の透明性と信頼性が向上します。今後、ブラジルの他州やカンボジア、コロンビア、コンゴ民主共和国などでも同様のデータ公開が予定されており、グローバルな森林保全プロジェクトの拡大が期待されます。
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欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の簡素化が加速
欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、サステナビリティ報告基準(ESRS)の簡素化作業を加速しています。11月24日に専門家グループが会合を開き、翌日にはサステナビリティ報告委員会が続きます。12月4日には簡素化案の公開ウェビナーも予定されており、今後の欧州企業のサステナビリティ報告実務に大きな影響を与える見通しです。欧州議会も「オムニバス交渉立場」を最終決定し、規制の合理化が進展しています。
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モーリタニア:経済多角化による持続可能な成長戦略
世界銀行は、モーリタニアが2050年までに中所得国入りを目指すためには、経済の多角化と持続可能な成長戦略が不可欠であると指摘しました。特に、鉱業依存からの脱却と、再生可能エネルギーや農業など新たな産業分野への投資が重要視されています。持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた政策提言も盛り込まれています。
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マリ:燃料供給の混乱と持続可能な経済運営
IMFは、マリにおける燃料供給の混乱や金生産の減少など、2025年の経済的逆風について報告しました。テロ攻撃によるインフラ被害が持続可能な経済運営に影響を与えており、今後の安定化と成長には国際的な支援と構造改革が求められています。
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英国大学によるSDGsレポート発表
ボーンマス大学は、持続可能な開発目標(SDGs)に関する2025年版レポートを発表しました。大学の教育・研究・社会貢献活動がSDGs達成にどのように寄与しているかを詳細に分析しています。
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まとめ
2025年11月24日は、COP30の閉幕を中心に、グローバルなサステナビリティ推進の新たな潮流が明確になった一日でした。特筆すべきは、COP30合意における化石燃料への直接的な言及の欠如と、それに対する各国の反応です。加えて、カナダの気候ファイナンス拡充、森林減少リスク評価の進展、欧州の報告基準簡素化、アフリカ諸国の持続可能な成長戦略など、各地域で多様なサステナビリティ施策が進行しています。今後も、国際的な協調と実効性のある行動が求められる中、企業や自治体、研究機関の役割が一層重要となるでしょう。

