2025年11月26日、サステナビリティ分野では国際機関による環境政策の見通しや、物流・冷蔵倉庫業界におけるESGリーダーの発表、投資界のサステナブル投資動向など、多岐にわたる動きが見られました。本コラムでは、11月26日に発信された主要なサステナビリティ関連ニュースを要約し、その意義を解説します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
アメリコールド、2025年GRESBセクターリーダーに選出
冷蔵倉庫大手のAmericoldは、2025年のGRESB（Global Real Estate Sustainability Benchmark）において、冷蔵倉庫業界の「セクターリーダー」に選ばれました。GRESBは不動産・インフラ分野におけるESGパフォーマンスを評価する世界的なベンチマークであり、Americoldはエネルギー効率、温室効果ガス排出削減、サプライチェーン管理、社会的配慮など、多面的なサステナビリティ施策が評価されました。同社は、再生可能エネルギーの導入や、冷媒のグリーン化、廃棄物削減など、業界をリードする取り組みを展開しています。
モルガン・スタンレー調査：機関投資家のサステナブル投資割合が増加
ESG Newsが報じたモルガン・スタンレーの最新調査によると、機関投資家のポートフォリオにおけるサステナブル投資の割合が2025年も増加傾向にあります。調査対象の機関投資家の多くが、ESGリスク管理や気候変動対応、社会的配慮を投資判断に組み込むようになっており、特に再生可能エネルギー、循環型経済、サプライチェーンの透明性に注目が集まっています。また、ASEAN諸国では気候変動適応策の強化が進んでおり、地域間でのESG投資の広がりも見られます。
FedEx、持続可能な物流への取り組みを加速
ジョンズ・ホプキンス大学のイノベーション研究所（JHU Innovations）が紹介した記事によると、FedExは今後20年以内に、パッケージ配送の持続可能性を大幅に向上させる目標を掲げています。具体的には、電動配送車の導入、再生可能エネルギーの活用、包装材のリサイクル・リデュース、物流ネットワークの最適化などを推進。同社は、2045年までにネットゼロ排出を目指しており、物流業界全体の脱炭素化に向けたリーダーシップを発揮しています。
まとめ
2025年11月26日は、サステナビリティ分野において国際機関、企業、投資界の三者がそれぞれ重要な発信を行った一日でした。AmericoldのGRESBセクターリーダー選出は、冷蔵倉庫業界におけるESGの重要性が高まっていることを示しており、業界全体のサステナビリティ向上に貢献しています。また、モルガン・スタンレーの調査から、機関投資家のサステナブル投資への関心が高まっていることが明らかになり、投資界のESG化が加速していることが分かります。FedExの物流業界における脱炭素化への取り組みも、今後の業界動向を占う上で注目すべきポイントです。
これらの動きは、企業が単なる「環境対策」にとどまらず、経済・社会・環境の統合的価値創造に向けた戦略を構築する必要性を示しています。今後も、国際機関の提言や業界リーダーの取り組み、投資界の動向を注視し、自社のサステナビリティ戦略に反映していくことが重要です。
