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世界の政策転換とイノベーションが加速する中、グローバルな協調と現場の課題が浮き彫りに

2025年7月15日は、サステナビリティ分野で世界的な政策転換や新たな国際協調、そして現場で直面する課題が鮮明になった一日でした。特に注目すべきは、中国・北京で開催されたグローバルCEOフォーラムによる国際連携強化の動き、英国政府による「グリーンタクソノミー」導入見送りという規制方針の転換、米国地方都市における気候適応策への資金打ち切り問題など、多様なレベルで持続可能性推進をめぐる最新動向です。本コラムでは、それぞれの記事や論文から得られた知見をもとに、サステナビリティ最前線を解説します。

目次

 昨日のサステナビリティ最新トピック

1. グローバルCEOが北京に集結――中国主導の持続可能性推進へ新たな枠組み誕生

 2025年7月15日より北京で開催されている「Sustainable Markets Initiative China Forum」は、中国商工会議所(CCOIC)と英王室主導のSustainable Markets Initiative(SMI)が共催し、世界有数企業や中国トップ企業CEO、高官らが一堂に会して持続可能性移行について議論しています。今回初めて中国国内でSMIフォーラムが開かれることで、中国経済・産業界との直接対話および協働体制構築への期待感が高まっています。  

 フォーラムは第3回中国国際サプライチェーン博覧会とも連動し、中国政府による再生可能エネルギー投資・技術革新力(太陽光・風力・水力発電量世界最大、新エネルギー産業チェーン完備)をアピール。習近平国家主席も4月演説で「クリーンテック投資額は世界トップ」と強調しており、この分野へのさらなる官民連携拡大につながります。

(出典: https://www.prnewswire.com/in/news-releases/global-ceos-to-convene-in-beijing-for-landmark-forum-on-sustainable-transition-302505645.html

2. 英国政府、「グリーンタクソノミー」導入見送り――実効性重視へ政策シフト

 2025年7月15日付けで英国政府は、「UK Green Taxonomy」(環境配慮型経済活動分類)の導入を断念すると発表しました。その理由として、市場関係者から実務上の困難さや他国タクソノミー運用経験からくる懸念など否定的意見(55%)が多かったこと、およびネットゼロ移行促進には他施策優先との判断があります。一方、気候関連移行計画義務化や第三者保証制度創設等については引き続きパブリックコメント募集中です。またEUではカーボンボーダー調整メカニズム(CBAM)の簡素化合意も報じられており、欧州域内外でも規制枠組み再編成機運があります。

(出典: https://www.stblaw.com/about-us/publications/view/2025/07/15/simpson-thacher-sustainability-and-esg-regulatory-update-july-2025

3. 米ワシントン州スポケーン市:気候適応助成金350件超打ち切り――地域格差拡大懸念も

 スポケーン市では過去最大級熱波被害後、市民大学との連携によってレジリエンスハブ設置や省エネ冷房普及等へ1,990万ドルEPA助成金獲得。しかし政権交代後、この助成金含む全米350件以上もの同種支援事業予算がホワイトハウス方針変更により突然打ち切られました。同様自治体では独自対応困難例も多く、公平かつ継続的支援体制構築への課題浮上となっています。

(出典: https://www.gonzaga.edu/news-events/stories/2025/7/15/spokane-climate-resilience-efforts-face-funding-challenges

まとめ

昨日投稿された複数の記事・ニュースから読み取れるポイントは以下です。

– グローバルレベルでは 中国主導型イニシアチブ台頭と欧州諸国間規制再編機運という二極化傾向

– 政策面では 英国など主要先進国でも“形式基準”より“実効重視”志向への転換

– 現場レベルでは 米地方都市等脆弱コミュニティ支援策縮小=公平性担保手段模索

– 技術革新面でも 蓄電池材料確保など次世代インフラ基盤形成競争激化  

特筆すべき点として、本日は「中国市場×グローバル企業×官民連携」による巨大イニシアチブ始動という歴史的局面到来と言えます。一方、“脱炭素社会”実現には単なる制度設計だけなく、多層的かつ柔軟な対応力こそ求められていることも改めて浮き彫りとなりました。

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