2025年8月5日は、サステナビリティ分野で注目すべき複数の動きが見られました。特に、AI利用による環境負荷を可視化する新アプリの発表や、国連主導によるプラスチック汚染対策条約交渉の本格始動など、デジタル技術とグローバルガバナンス双方から持続可能性への新たなアプローチが示されました。本コラムでは、その日投稿された海外専門記事・ニュースリリースを中心に要点を整理し、企業担当者が押さえておくべき最新トピックをご紹介します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. AI利用時のエネルギー・水消費量を可視化する新アプリ公開
米メイン大学は8月5日、「What Uses More」というAI活用時の環境フットプリント(エネルギー・水消費)を直感的に把握できる無料ウェブアプリケーションを発表しました。このツールはテキスト生成や画像生成など各種AIタスクごとの電力消費量(水滴や電球分など身近な単位で表示)や、水使用量についてユーザー自身が比較体験できる設計です。開発者は「AI業界は実態情報開示に消極的だが、本ツールで個々人が自ら影響度合いを考える契機になれば」とコメントしています。今後デジタルサービス選択時にも“見えない”環境コストへの意識醸成につながりそうです。
(出典: https://umaine.edu/news/blog/2025/08/05/umaine-unveils-app-to-gauge-ais-environmental-cost/)
2. 国連主導:プラスチック汚染防止条約交渉スタート
同日、スイス・ジュネーブでは180カ国以上から代表団が集まり、「法的拘束力あるグローバルなプラスチック汚染防止条約」策定へ向けた本格協議(ハイレベル会合)が開始されました。UNEP事務局長イングァー・アンデルセン氏は「世界中で危機感と怒りが高まっている」「このままでは2060年までに生産量も廃棄物も3倍となり、人間社会と生態系双方へ甚大な被害」と警鐘。一方、生産国側から“生産上限”には慎重論も出ており、多様な利害調整下で今後数ヶ月内にも枠組み案提示予定です。
(出典: https://news.un.org/en/story/2025/08/1165574)
3. 米EPA:飲料水システム向けレジリエンス強化助成金9百万ドル公募開始
米国EPA(環境保護庁)は同日、中規模~大規模飲料水システム対象として自然災害やサイバー攻撃等への耐性強化支援として総額900万ドル超となる助成金公募開始、および上下水道セクター向け10項目推奨事項報告書公開を発表しました。「気候変動由来災害+IT脅威」両面対応型レジリエンス構築支援策として注目されます。
4. Seagate社による循環型経営推進事例紹介
ストレージ大手Seagate Technology社による持続可能性推進活動事例も取り上げられています。同社は資源循環型製品設計、省エネ工場運営等多面的施策展開中とのことですが、本件詳細については一般論中心の記事内容でした。
まとめ
昨日8月5日は、「デジタル×サステナビリティ」の観点から特筆すべきニュース――AI活用時代ならではの“隠れた”資源消費問題への啓蒙ツール登場――そして地球規模課題解決へ向けた法制度づくり最前線という二つの潮流が明確になりました。また、水インフラ領域でも気候変動+DX対応一体型政策支援拡充など、多層的かつ実践志向型施策への転換傾向もうかがえます。
企業担当者としては、自社サービス提供過程のみならずITベンダー選定基準にも「温室効果ガス排出/資源使用情報」の透明性要求強化、“グリーンウォッシング回避”姿勢徹底等、新しい評価軸設定検討も求められる局面と言えるでしょう。