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EU初のCSRD報告分析とグローバル企業のサステナビリティ評価

2025年8月6日に発表されたサステナビリティ関連の最新記事・ニュースリリース・論文から、欧州のサステナビリティ報告制度(CSRD)初年度の実態分析や、グローバル企業のサステナビリティ評価、地域社会でのリサイクル推進イベントなど、企業・行政・市民社会の多様な動きをご紹介します。特に、EUの新たなサステナビリティ報告制度の実態分析は、今後のESG報告の質向上や国際的な情報開示の潮流を考える上で重要な示唆を与えています。

目次

昨日のサステナビリティ最新トピック

1. EU初のCSRD報告分析:「2025年の現状」レポート

欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)は、2024年度から義務化されたCSRD(企業サステナビリティ報告指令)に基づく最初のサステナビリティ報告書を分析した「State of Play 2025」レポートを発表しました。650社以上の報告書を対象に、報告の構造は概ね統一されているものの、開示の深度や明確さには大きなばらつきがあることが明らかになりました。特に、気候変動や自社従業員、ビジネス倫理などの主要テーマは多くの企業が報告している一方で、生物多様性やマイクロプラスチック、影響を受けるコミュニティなどの項目は十分に開示されていませんでした。また、マテリアリティ評価(重要課題の特定)においては、社内やビジネスパートナーの意見が重視される傾向が強く、広範な社会的ステークホルダーの関与は限定的でした。EFRAGは、今後さらなる一貫性・比較可能性・透明性の向上が必要であると指摘しています。

(出典: https://www.clearygottlieb.com/news-and-insights/publication-listing/climate-energy-eu-policy-regulation-update-2025-08-06

2. グローバル企業のサステナビリティ評価:シーメンスがEcoVadis最高評価を獲得

ドイツの大手企業シーメンスは、2025年のEcoVadisサステナビリティ評価で最高位の「プラチナ」メダルを獲得しました。これは世界約13万社の中で上位1%に位置する評価であり、環境・倫理・労働・人権・サステナブル調達の全領域で高得点(85点)を記録しています。シーメンスの事業の90%以上が、脱炭素化・エネルギー効率・資源循環・社会的包摂の3分野で顧客のサステナビリティ向上に寄与している点が評価されました。EcoVadisの評価は、国連グローバル・コンパクトやILO条約、GRI基準、ISO26000など国際的なサステナビリティ基準に基づいています。

(出典: https://tedmag.com/siemens-earns-platinum-ecovadis-sustainability-rating/

3. 地域社会でのサステナビリティ推進:オクラホマ・リサイクルフェスティバル

米国オクラホマ州マカレスターで開催される「オクラホマ・リサイクルフェスティバル」は、リサイクルの啓発と実践を地域社会で推進するイベントです。参加者は電子廃棄物や不要な医薬品のリサイクルに加え、リサイクルアートや教育ゲーム、地元企業の展示などを楽しむことができます。OSUエクステンションや市、地域団体が協力し、持続可能な生活の普及を目指しています。

(出典: https://extension.okstate.edu/articles/2025/recycling_festival.html

4. 米国南部の化石燃料インフラ拡大への懸念

アラバマ州・ジョージア州を横断する新たな化石燃料パイプライン計画が、地域の環境や生態系に深刻な影響を及ぼす可能性があるとして、現地の環境団体が警鐘を鳴らしています。同日には、石炭火力発電所の和解により、希少魚類の生息地であるローカントリー川の保全が進むというポジティブな動きも報じられました。米国南部では、エネルギーインフラの拡大と環境保全のバランスが引き続き大きな課題となっています。

(出典: https://www.selc.org/press-release/fossil-fuel-superhighway-threatens-dozens-of-counties-across-alabama-georgia/

まとめ

2025年8月6日は、欧州のCSRD初年度報告の実態分析が公表され、企業のサステナビリティ情報開示の質と課題が明らかになったことが最大のトピックでした。グローバル企業のサステナビリティ評価や、地域社会でのリサイクル推進、米国南部のエネルギーインフラを巡る動きなど、サステナビリティの実践は多層的に進展しています。特に、CSRDのような国際的な情報開示基準の運用実態と課題は、日本企業にとっても今後のESG戦略や報告体制の高度化に向けた重要な示唆となるでしょう。今後も、各国・各地域の最新動向を注視し、クライアント企業のサステナビリティ推進に資する情報を提供してまいります。

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