MENU

ソニーの「Green Management 2030」発表とグローバルな脱炭素・資源循環の加速

2025年8月29日は、グローバル企業による脱炭素・資源循環の新たなコミットメントや、航空・エネルギー分野でのサステナブルな取り組みが相次いで発表されました。特に、ソニーグループによる「Green Management 2030」の中期環境目標の公表は、サプライチェーン全体を巻き込んだ温室効果ガス削減と再生可能エネルギー活用の加速を示すものであり、今後のESG経営の指針となる動きです。また、米国やインド、日本発の航空燃料イノベーションなど、各国での最新動向も見逃せません。

目次

昨日のサステナビリティ最新トピック

ソニー「Green Management 2030」:サプライチェーン全体で温室効果ガス25%削減へ

ソニーグループは、2030年までの中期環境目標「Green Management 2030」を発表しました。主なポイントは以下の通りです。

  • Scope1~3の温室効果ガス排出量を5年間で25%以上削減(2025年度比)
  • Scope1・2(自社活動)排出量を60%削減し、残余排出分はカーボンリムーバルで相殺
  • Scope3(サプライチェーン)排出量も25%削減
  • 自社事業所での再生可能電力100%化
  • 主要サプライヤーにも再エネ100%利用を要請
  • 非再生プラスチック使用削減やリサイクル素材活用の拡大

これらの目標は、バリューチェーン全体でのネットゼロ達成を2040年までに前倒しするという強い意思を示しています。加えて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示も推進し、グローバルなESG投資家への透明性も高めています。

出典

米国EPA:AIデータセンターと鉱物リサイクル推進

米国環境保護庁(EPA)のZeldin長官は、ワイオミング州でAIデータセンターや鉱物リサイクル現場を視察し、鉱物資源のリサイクル技術やAIデータセンターの環境配慮型開発を推進する姿勢を示しました。特に、1.8GW規模のAIデータセンターキャンパスの開発や、鉱山廃棄物からの重要鉱物回収技術の現場視察が行われ、連邦・州の協調による迅速な許認可とサステナブルな産業基盤の構築が強調されました。

出典

インド:EV・クリーンエネルギー政策の加速

インドでは、政府の積極的な政策支援により、EV(電気自動車)やハイブリッド車の普及、バッテリーセルの現地生産が急速に進展しています。産業界と政府が一体となり、クリーンエネルギーへの移行とサプライチェーンの現地化を推進している点が注目されます。これにより、インドはグローバルなサステナブルモビリティのハブとしての地位を強化しつつあります。

出典

日本発:持続可能な航空燃料(SAF)サプライチェーン構築

アラスカ航空とコスモ石油マーケティングは、大阪-ホノルル便向けの持続可能な航空燃料(SAF)供給契約を締結しました。SAFは、廃食油などを原料とし、従来のジェット燃料に比べてCO₂排出量を大幅に削減できる次世代燃料です。コスモエネルギーグループは、国内初のSAFサプライチェーン構築や家庭からの廃食油回収プログラムを推進し、2050年ネットゼロ実現に向けた社会的ムーブメントを牽引しています。

出典

米国:分散型再エネ普及と電力会社の新たな料金制度

アパラチアン・パワー社は、屋根置き太陽光発電の余剰電力買取価格を引き下げる新制度を導入しました。これは、分散型再生可能エネルギーの普及と電力系統の安定化を両立させるための新たな料金設計の一環です。今後、再エネ普及と電力会社のビジネスモデル転換のバランスが問われる動きとなります。

出典

まとめ

2025年8月29日は、グローバル企業によるサプライチェーン全体を巻き込んだ脱炭素・資源循環の加速、航空・モビリティ分野でのサステナブル燃料やEV普及の進展、米国でのAI・鉱物リサイクル・分散型再エネの新たな制度設計など、サステナビリティの多様な最前線が示された一日でした。

特に、ソニーの「Green Management 2030」は、Scope3(サプライチェーン全体)を含む温室効果ガス削減目標の明確化と、再生可能エネルギー100%化の推進という点で、今後のグローバル企業のESG経営の新たなベンチマークとなるでしょう。

また、航空・エネルギー・モビリティ分野でのイノベーションや、政策・制度面での新たな動きも、サステナビリティ推進の実効性を高める重要な要素です。今後も、サプライチェーン全体を巻き込んだ脱炭素・資源循環の動向や、各国の政策・技術革新に注目が必要です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次