2025年9月1日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュースや論文から、グローバルな動向と先進的な取り組みを厳選してご紹介します。昨日は、ラテンアメリカにおける大規模なサステナビリティ投資の発表や、都市の生物多様性保全、企業のサステナビリティ指針策定など、ESG担当者が注目すべき動きが複数見られました。
昨日のサステナビリティ最新トピック
IFCとBTGパクチュアル、ラテンアメリカで10億ドル規模のサステナビリティ投資を発表
世界銀行グループの一員であるIFC(国際金融公社)とブラジルの投資銀行BTGパクチュアルは、ラテンアメリカ全域でサステナビリティと開発を推進するため、2028年までに最大10億ドルの共同投資を行う新たな戦略的パートナーシップを発表しました。
このパートナーシップでは、社会・環境開発や保全イニシアチブへの共同融資、アマゾン・バイオエコノミーやネイチャーベースドソリューションを展開する企業への投資が予定されています。
BTGパクチュアルは投資機会の発掘、IFCは資金・技術支援を担い、IFCの環境・社会パフォーマンス基準の共有も進められます。
この動きは、民間セクターが気候変動対策や持続可能な経済成長の推進役となることを強調しており、今後のラテンアメリカにおけるESG投資の加速が期待されます。
都市の生物多様性保全における企業の役割:スウェーデン・エリクソンの事例
スウェーデンの通信大手エリクソンは、ストックホルム郊外のイーゲルベッケン自然保護区で、自治体の生態学者と連携し、従業員ボランティアによる生物多様性保全活動を展開しています。
この取り組みでは、外来種の除去や希少種のモニタリング、古木の保護など、科学的知見に基づいた現場作業が行われており、企業が地域の生態系保全に直接貢献する好例となっています。
企業の従業員が現場で生態系保全に関わることで、自然とのつながりを深め、企業文化としてのサステナビリティ意識の醸成にも寄与しています。
都市設計における「ネイチャーポジティブ」アプローチの重要性
都市の生物多様性損失やヒートアイランド現象、温室効果ガス排出の増加に対し、従来の公園や緑地だけでは十分な対策とはなりません。
最新の都市設計では、建物のファサードやインフラ自体に生態系機能を組み込む「ネイチャーポジティブ」なアプローチが注目されています。
都市計画や建築の段階から生態系を中心に据えることで、都市全体のレジリエンスと生物多様性の向上が期待されます。
横河電機、製品ライフサイクル全体を対象としたサステナビリティ指針「Trusted Green」を策定
横河電機は、製品の企画・開発から調達、生産、サービス、回収・リサイクルまで、全ライフサイクルを対象としたサステナビリティ指針「Trusted Green」を新たに策定しました。
この指針は、「高信頼性製品の提供」「製品ライフサイクル全体での環境負荷低減」「循環型エコシステムの構築」の3本柱で構成され、顧客の製造現場における環境負荷低減や資源循環の推進を目指しています。
今後は、開発・生産・サービス部門の連携強化を通じて、より持続可能な製品・サービスの提供を進める方針です。
国際カーボンクレジット認証機関Verra、複数の新規プロジェクトをパブリックコメント募集開始
カーボンクレジット認証機関Verraは、2025年9月1日付で、世界各地の新規カーボンクレジットプロジェクトに対するパブリックコメントの募集を開始しました。
対象プロジェクトには、アマゾン熱帯雨林の保全、バイオCNG燃料、太陽光発電、プラスチック廃棄物の回収・リサイクル、マングローブの保全・再生(シエラレオネ)など、多様な分野が含まれています。
これらのプロジェクトは、グローバルなカーボンオフセット市場の透明性と信頼性向上に寄与するものです。
まとめ
2025年9月1日は、ラテンアメリカにおける10億ドル規模のサステナビリティ投資発表が特に注目されました。
加えて、都市の生物多様性保全における企業の現場参加型の取り組みや、都市設計におけるネイチャーポジティブなアプローチ、製品ライフサイクル全体を見据えた企業のサステナビリティ指針策定、国際的なカーボンクレジットプロジェクトの進展など、サステナビリティ分野の多様な最新動向が見られました。
これらの動きは、ESG担当者が今後の戦略策定や実務において参考とすべき重要な示唆を含んでいます。特に、民間セクターの資金・技術・人材を活用したインパクト投資や、サプライチェーン全体を見据えたサステナビリティ推進、都市・地域レベルでの生態系保全の新潮流は、今後のESG経営の中核テーマとなるでしょう。

