2025年9月13日は、サステナビリティ分野において世界各地で対照的な動きが見られた一日でした。米国カリフォルニア州では環境・健康保護の大幅な後退が決定される一方、カリブ海の小国ネイビスやメキシコでは、持続可能な社会の実現に向けた先進的な政策や市民運動が注目を集めています。本コラムでは、昨日発表された主要な記事・ニュースリリースをもとに、サステナビリティの最新動向を解説します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
カリフォルニア州、石油業界寄りの環境・健康規制後退を可決
カリフォルニア州議会は9月13日、ケルン郡で今後10年間にわたり数万件規模の新たな石油・ガス掘削許可を環境審査なしで認める法案(Senate Bill 237)を可決しました。この法案は会期末の「ガット・アンド・アメンド」手法で突如提出され、住民参加の機会が大幅に制限されたまま成立。今会期中、複数の環境・健康保護規制が後退する中でも特に象徴的な動きとなりました。
環境団体は「カリフォルニア州が石油業界の利益のために住民の信頼と価値観を裏切った」と強く批判。今後、掘削増加による大気汚染や気候変動リスクの高まりが懸念されています。
ネイビス島、世界初の「特別サステナビリティゾーン」立法の推進
カリブ海の小国ネイビスでは、8月に成立した「特別サステナビリティゾーン」法の実装が進行中です。9月13日、同国首相はこの新制度の意義を改めて強調しました。ゾーン内の開発事業者には、経済インパクト報告書の提出、70%以上の再生可能エネルギー利用、独自の水供給・廃棄物管理・医療体制の確立、歴史・自然遺産の保全計画策定など、極めて厳格なサステナビリティ要件が課されます。
また、同国では使い捨てプラスチックの全面禁止や、リサイクル推進、教育現場でのサステナビリティ啓発活動も活発化。小規模国家ならではの「グリーンウォッシングが通用しない」現実的なサステナビリティ実践が注目されています。
ニューメキシコ州、放射性物質トリチウム放出計画に市民団体が反発
米国ニューメキシコ州ロスアラモス国立研究所(LANL)は9月13日、周辺先住民や環境団体の強い反対にもかかわらず、放射性物質トリチウムの大気放出を計画。前日には環境法センターが州知事に対し、放出中止を求める緊急要請を行いました。
世界のグリーンエネルギー動向(9月13日まとめ)
9月13日付のグリーンエネルギーニュースでは、インドの原子力発電所再稼働計画や、ベトナム企業による法的イニシアティブなど、各国での再生可能エネルギー・脱炭素化に向けた新たな動きが報じられています。
まとめ
2025年9月13日は、カリフォルニア州の環境規制後退という衝撃的なニュースが世界のサステナビリティ関係者に大きな波紋を広げました。一方で、ネイビスやメキシコなど新興国・小国では、法制度や市民運動を通じてサステナビリティの実効性を高める先進的な取り組みが進行中です。米国の一部地域では依然として環境リスクへの市民の強い反発も見られ、グローバルなサステナビリティの潮流は一様ではありません。
昨日の目玉情報は、カリフォルニア州の大規模な環境・健康規制後退です。これは、ESG・サステナビリティ担当者にとって、規制環境の急変リスクや、グリーンウォッシング批判の高まり、そして新興国・小国の先進的な政策から学ぶべき点の多さを改めて示唆するものです。今後も、各国・各地域の動向を注視し、柔軟かつ実効性の高いサステナビリティ戦略の構築が求められます。

