2025年9月24日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュース・論文・リリースを精査した結果、世界の投資動向、海洋保全、森林ファイナンス、企業の社会的インパクトに関する重要な動きが報告されました。特に、米国の投資自由化を巡る議論、国際的な海洋保全の新たな5年計画、ブラジルの森林バイオエコノミーへの巨額資金調達、そしてグローバル企業の社会的貢献が注目されます。これらの動向は、サステナビリティ担当者が今後の戦略を考える上で極めて重要な示唆を与えています。
昨日のサステナビリティ最新トピック
米国:責任投資の自由を守るための産業界・元議員の声明
米国では、Climate Weekの開催に合わせて、産業界の中道右派や元共和党議員が「責任投資の自由を守るべき」とする声明を発表しました。政府による投資方針への過度な介入を批判し、投資家や企業が自らの判断でサステナビリティリスクや機会を評価できる環境の重要性を強調しています。CeresのCEOは「気候変動への対応はもはやコンプライアンスや評判管理の問題ではなく、利益やレジリエンス、雇用、経済成長に直結する」と述べ、クリーンエネルギー投資の拡大や企業の気候目標の維持・強化が進んでいる現状を紹介しました。2025年末までに世界のクリーン投資額は2.2兆ドルに達する見込みであり、企業の84%が炭素排出削減目標を維持、37%が目標を引き上げています。資産運用会社の70%が責任投資を戦略に組み込むなど、サステナビリティ投資の主流化が加速しています。
国際海洋パネル:2030年までの新たな5年計画を発表
「持続可能な海洋経済のためのハイレベルパネル(Ocean Panel)」は、2030年までの新たな5年計画を発表し、海洋保全・ブルーエコノミー推進に向けた国際協力の強化を宣言しました。18カ国の首脳が参加するこのパネルは、海洋データシステムの強化、年間5500億ドル規模の海洋経済投資の促進、持続可能な漁業・気候変動対策の推進を重点課題としています。特に、世界の国別水域の100%持続可能管理を目指す「100%アライアンス」への参加を呼びかけ、国際的な海洋ガバナンスの進展(高海洋条約の発効、WTO漁業補助金協定の批准)を歓迎しています。今後のCOP30やIUCN世界自然保護会議に向けて、海洋を中心としたグローバルアクションの重要性が再確認されました。
ブラジル:COP30に向けた森林・バイオエコノミーへの巨額資金調達
ブラジルでは、COP30を前に「BRB Finance Coalition」が森林保全とバイオエコノミー推進のために45億ドル(約6750億円)を調達したことが報じられました。これは、アマゾンを中心とした森林保全、持続可能なバイオ産業の発展、地域コミュニティの支援を目的としたもので、世界的な気候変動対策と生物多様性保全の両立を目指す動きです。国際金融機関や民間投資家の参画が進み、グリーンファイナンスの新たなモデルケースとなる可能性があります。
グローバル企業:Carrier社が「Change the World」リスト入り
Climate Week NYCの期間中、グローバルな気候・エネルギーソリューション企業であるCarrier Global Corporationが、*Fortune*誌の「2025 Change the World」リストに選出されました。Carrier社は、住宅・ビル・コールドチェーン分野での持続可能なイノベーションを推進し、世界50,000人の従業員が社会的インパクト創出に取り組んでいます。企業のサステナビリティ戦略が社会課題解決と事業成長の両立に貢献する好例として、今後の企業経営の参考となるでしょう。
まとめ
2025年9月24日は、サステナビリティ分野で以下のような重要な動きがありました。
- 投資の自由と責任投資の主流化:米国では投資家・企業の自主性を尊重しつつ、サステナビリティ投資が加速。クリーンエネルギーや気候目標へのコミットメントが強化されています。
- 国際海洋保全の新たな枠組み:Ocean Panelによる2030年までの新計画が始動し、海洋データ・資金・ガバナンスの強化が進みます。
- 森林・バイオエコノミーへの巨額資金調達:ブラジルがCOP30に向けて森林保全とバイオ産業の発展に大規模な資金を動員。
- 企業の社会的インパクトの評価:Carrier社が「Change the World」リスト入りし、サステナビリティ経営の重要性が再認識されました。
昨日は、投資・政策・国際協力・企業活動の各分野でサステナビリティの新たな潮流が明確に示された一日でした。これらの動向は、今後のESG戦略策定や事業活動において、グローバルな視点と長期的なコミットメントが不可欠であることを改めて示しています。

