2025年4月22日は「アースデイ」として、世界中で環境保全とサステナビリティへの意識が高まる一日となりました。本コラムでは、昨日発表された海外の専門性の高い記事やニュースリリース、論文を中心に、最新のサステナビリティ動向を要約し、ご紹介します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. Sands社:アースデイに合わせた環境優先事項と次期戦略
ラスベガス・サンズ社はアースデイ2025に際し、チーフ・サステナビリティ・オフィサーのカタリーナ・テザロヴァ氏が同社の環境優先事項を発表しました。現在進行中の「Sands ECO360」グローバルプログラムは、「低炭素移行」「廃棄物削減」「水資源管理」「持続可能な資材活用」の4分野で推進されています。特に今年は2021-2025年報告期間最終年度として、省エネプロジェクト10件以上を実施予定であり、年間2,000万kWh超のエネルギー消費削減が見込まれています。また、新たな目標設定や2030年までの長期計画策定も始動しています。
(出典:https://www.sands.com/news/earth-day-2025-sands-environmental-priorities/)
2. 米国政策とグローバル再生可能エネルギー投資動向
米国では政権交代による環境規制緩和が続く一方で、市場原理や技術革新によって再生可能エネルギー投資が化石燃料投資を2対1で上回っています。特に中国はバッテリー技術やEV(電気自動車)、太陽光・風力発電など上流供給網への巨額投資によって脱炭素化技術分野を牽引しています。今後EV価格低下など市場変化も予想されており、「クリーンエネルギーシフト」は不可逆的な潮流となっています。
3. Earth Day公式テーマ:「OUR POWER, OUR PLANET」
Earth Day Networkは今年度テーマとして「OUR POWER, OUR PLANET」を掲げました。「2030年までにクリーン電力供給量3倍」を目指し、市民・企業・政府すべてが連携して再生可能エネルギー普及へ取り組むことを呼びかけています。また教育活動や地域イベント開催など草の根レベルでも地球温暖化対策、生物多様性保全、生態系維持への参加促進ツール提供にも注力しています。
4. Elevate Textiles:最新ESGレポート公開
繊維大手Elevate Textiles社は新たなESGレポート(Sustainability Report)を公表しました。同報告書ではグローバル製造拠点拡大とともに、省水、省エネ、生産工程から排出される温室効果ガス削減等、多角的な取り組み成果および今後数年間で達成すべきKPIについて詳細記載されています。
(出典:https://www.elevatetextiles.com/elevate-textiles-releases-2025-sustainability-report/)
5. VARON:医療機器業界からも脱炭素ソリューション提案
医療用酸素濃縮器メーカーVARON社はアースデイ声明として、「従来型酸素タンク」に比べて省電力かつ長寿命設計された新型装置群によるCO₂排出抑制効果について強調しました。同時に慢性呼吸疾患患者等への安定供給体制構築と地球規模課題解決との両立モデル事例として注目されています。
まとめ
昨日4月22日は世界各地でアースデイ関連情報発信が相次ぎました。企業セクターではSands社やElevate Textilesなど多国籍企業による具体的な省CO₂施策推進状況、新たなKPI設定、公表姿勢が鮮明になりました。一方政策面では米国政権交代下でも市場主導型クリーンテック投資加速、中国主導による脱炭素インフラ整備というマクロトレンドも浮き彫りです。
またEarth Day Network主導キャンペーンには市民社会から企業まで幅広い主体参画が見られ、「2030年までクリーン電力3倍」という明確かつ挑戦的ゴール共有も印象的でした。
医療機器業界からVARON社事例にも見られるよう、多様産業領域横断型ソリューション開発競争も本格化しています。