2025年5月4日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュースや研究論文をもとに、グローバルな動向と注目すべきトピックをまとめました。政策転換、技術革新、市民社会の動きなど、多角的な視点から昨日の主な話題をご紹介します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. 米国EPAによる環境正義プログラム終了
米国環境保護庁(EPA)は、現政権下で長年続いていた「環境正義」プログラムを正式に終了しました。この政策転換は、産業公害への連邦レベルでの規制が弱まることで、社会的に脆弱なコミュニティがより大きな健康被害や環境負荷にさらされる可能性があると専門家は警鐘を鳴らしています。今後は州や自治体レベルでの対応強化が求められる局面となりました。
(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-april-28-may-04/)
2. サステナブルファッション:衣服レンタルモデルの課題
チャルマース工科大学による新たな研究では、「衣服レンタル」がファッション業界全体として持続可能性向上につながり得る一方、その多くの事業モデルはスケールアップ時に経済的・物流的課題を抱えていることが明らかになりました。特定用途(例:パフォーマンスウェア)などニッチ市場では供給者との直接連携型モデルが有効ですが、大衆市場への拡大には依然として高いハードルがあります。
(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-april-28-may-04/)
3. 人尿活用による都市農業向け持続可能肥料開発
バーミンガム大学から発表された研究成果では、人尿を適切に処理・貯蔵することで合成肥料代替となりうること、その結果として都市農業分野で土壌改良および化学肥料使用量削減につながる可能性が示されました。廃棄物資源循環型社会構築への一歩として注目されています。
(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-april-28-may-04/)
4. カーボンネガティブ実現へ:Interface社カーペット製品への炭素統合技術導入
床材メーカーInterface社は、新たなカーボンキャプチャー技術投資とともに、自社カーペットタイル製品へ炭素素材統合プロジェクト開始を発表しました。同社は2040年までに「カーボンネガティブ企業」を目指しており、この取り組みは建材分野全体にも波及効果が期待されています。
(出典:https://www.winssolutions.org/sustainability-in-the-news-april-28-may-04/)
5. 再生可能エネルギー×EV活用による停電対策提案
スペインで起こった大規模停電問題について、一部報道機関では再生可能エネルギー依存度増加との因果関係を指摘する声もありました。しかし専門家らは、「建物単位マイクログリッド」と「EV車両(例:Ford F-150 Lightning)」等によって分散型電力供給網構築し災害時でも安定した電力確保できる仕組みづくりこそ重要だと提言しています。
(出典:https://www.greenenergytimes.org/2025/05/may-4-green-energy-news-10/)
6. オーストラリア総選挙―原子力計画否決と気候政策支持鮮明化
オーストラリア総選挙では与党労働党圧勝という形で反原子力世論・気候変動対策重視姿勢が鮮明になりました。野党連合案だった7基もの原子炉新設計画について、有権者多数派からコスト面・実現性双方への懸念から否決されており、今後同国でも再生エネルギー推進路線強化へ舵切りされそうです。
(出典:https://www.greenenergytimes.org/2025/05/may-4-green-energy-news-10/)
7. 気候変動訴訟―企業責任追及手法進展(Nature誌掲載)
ダートマス大学ジャスティン・マンキン准教授らによって執筆された*Nature*誌論文では、大手企業活動由来CO₂排出量データ解析手法開発し、それぞれどれだけ地球温暖化被害へ寄与したか科学的根拠付き算定できた旨報告されています。この知見は今後世界各地で進む気候変動損害賠償請求訴訟等にも影響すると考えられます。
(出典:https://www.greenenergytimes.org/2025/05/may-4-green-energy-news-10/)
8. 米国学生主体イニシアチブ―地方自治体サステナ職維持支持運動
米マーブルヘッド市議会内で提案された「サステナビリティ担当職廃止」市民請願について、高校生主体投票イベント開催。その結果、多数派学生票獲得し同職維持支持という結論となりました。若年層主導型地域社会参画事例として注目されています。
まとめ
昨日投稿された記事やニュースリリースでは、グローバルには以下3つの潮流変化/話題提供源が際立ちました。
1. 政策転換/制度設計
米EPA環境正義施策撤廃やオーストラリア反原子力世論台頭など、「政治判断」が直接ESG戦略見直し要因となっています。一方、市民参加型意思決定プロセスも着実に広まりつつあります。
2. テクノロジー&イノベーション
Interface社炭素吸収床材投入、人尿由来肥料開発、新しいCO₂排出量可視化アルゴリズム登場など、“脱炭素” “循環経済” “科学根拠重視” の方向感覚はいっそう強まっています。
3. 消費行動&ライフスタイル
衣服レンタルサービス普及阻む壁分析やEV×再エネ併用防災ソリューション提案等、「生活者起点」の議論深化も顕著でした。また若い世代主導地域活動事例も増加傾向です。
本コラム執筆時点では、日本国内メディアより海外専門媒体の記事比率高めですが、それだけグローバルトレンド把握重要度増している証左とも言えるでしょう。