2025年6月7日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュースや論文から、世界各地で進む革新的な取り組みや課題意識の高まりを読み解きます。本日の特筆すべき話題は、コスタリカが国を挙げて掲げた「2040年までにプラスチック汚染をほぼゼロにする」という野心的なロードマップです。加えて、観光業界で進む持続可能性へのシフトや、気候変動によるカナダの山火事常態化など、多角的な視点から昨日の主な動向をまとめます。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. コスタリカ、「2040年プラスチック汚染ゼロ」国家ロードマップ策定
コスタリカ政府は6月7日、「2040年までに国内のプラスチック汚染をほぼゼロにする」という国家行動計画(National Plastics Action Roadmap)を発表しました。この計画は国連事務総長アントニオ・グテーレス氏も支持し、世界環境デーに合わせて公表されました。現状では年間4億6000万トンものプラスチックが生産され、その半数以上が使い捨て用途ですが、再利用率はわずか9%という深刻な状況です。
コスタリカの新たなロードマップでは、
– 短期的には使い捨てプラスチック禁止
– 中期的には再生資源インフラ拡充
– 長期的には循環型経済への転換(再利用製品普及、生分解性素材開発等)
と段階ごとの具体策が示されています。また官民学市民社会による協働体制も特徴であり、大手飲料メーカーによる再利用パッケージ実証や大学研究機関によるエコ素材開発、市民団体による啓発活動など多層的アプローチとなっています。さらにガーナ提案型「グローバル・プラごみ課金制度」のような持続可能財源確保にも言及しています。
(出典:https://ticotimes.net/2025/06/07/costa-ricas-bold-plan-to-end-plastic-pollution-by-2040)
2. 「減らす」を本質とした観光業界改革:世界各地で入場規制・料金導入へ
同日付の記事では、「持続可能性=“減らす”こと」と位置づけた観光政策改革についても報じられています。ベネチアでは日帰り客向け最大10ユーロ徴収、日本でも富士山登山者数上限設定や京都祇園地区で無断撮影罰金導入など、有名観光地ほど来訪者数抑制策へ舵を切っています。
ギリシャ諸島でもクルーズ船乗客数上限&課金制度導入例が紹介され、“住民生活” “地域インフラ” “自然環境” の維持こそ最優先という価値転換が鮮明です。またケニアでは1970年代からコミュニティ主導型エコツーリズムモデル(例:オラレ・モトロギ保護区)が根付きつつあり、生態系保全と地域経済活性化両立モデルとして注目されています。
3. カナダ森林火災―気候変動下で“常態化”、越境大気汚染問題も深刻化
6月7日付OPB記事は、近年激増しているカナダ森林火災について警鐘を鳴らしています。今年も広範囲で大規模火災が頻発し、その煙害は米国ミネソタ州まで到達。「煙害に国境なし」として健康被害のみならず、大気質悪化対策強化および温暖化適応政策推進の必要性にも言及しています。こうした極端現象自体が“ニューノーマル”となりつつある現実認識こそ重要だと言えるでしょう。
まとめ
昨日投稿された複数の記事から浮かび上がったキーワードは「構造転換」「協働」「抑制」です。
特筆すべきなのは、
中南米小国ながらグローバルイシュー解決へ果敢に挑むコスタリカの姿勢です。同時に、“量より質”“成長より調和” を志向する新しい観光政策群や、“異常事態→通常運転” となった気候危機下の日常風景にも注目せざるを得ません。
これら一連の動きはいずれも従来型大量消費社会/大量移動社会/大量排出社会から脱却し、本質的価値創造=真なるサステナビリティ追求への道筋そのものと言えるでしょう。