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バイオプラスチック市場の急成長と政策動向

2025年6月11日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュースや論文から、世界的な環境配慮型素材の普及、行政による規制強化、企業・医療機関による先進的な取り組みなど、多角的な動きが見られました。本コラムでは、その中でも特に注目すべき「バイオプラスチック市場の急成長」を中心に、昨日発表された主要トピックスを要約し、ご紹介します。

目次

 昨日のサステナビリティ最新トピック

1. バイオ分解性ポリマー(生分解性プラスチック)の台頭と市場拡大

バイオ分解性ポリマー(生分解性プラスチック)市場は今後8年間で年平均13.45%という高い成長率が予測されており、市場規模は2024年の67.8億ドルから2033年には211億ドルへと拡大する見通しです。政府による使い捨てプラスチック禁止政策や環境意識の高まりが主な推進力となっており、とくに食品・飲料業界で持続可能な包装材への需要が顕著です。主要プレイヤーとしてTotal Corbionや三菱ケミカルなどが革新的ソリューションを展開しており、PBAT・PBS・PLAなど多様な素材タイプごとの分析も進んでいます。今後も各国政府による規制強化と消費者意識変化を背景に、生分解性素材へのシフトは加速すると考えられます。

(出典:https://www.globenewswire.com/news-release/2025/06/11/3097655/0/en/Emergence-of-Biodegradable-Polymers-Revolutionizing-Environmental-Sustainability-Efforts-2025-Report-Focuses-on-Total-Corbion-Mitsubishi-Chemical-Toray-BASF-Green-Dot-Bioplastics-a.html

2. 米国国立公園局:環境審査手続き簡素化へ新たな一歩

米国内務省傘下の国立公園局(NPS)は、新たなカテゴリカル・エクスクルージョン(CEs:包括的除外措置)導入により、プロジェクト実施時の環境審査手続きを大幅に簡素化する方針を発表しました。この措置は事業推進時の官僚的障壁を減らしつつも、生態系保全基準は維持される設計となっています。これにより再生可能エネルギー施設建設やインフラ整備等、多様なプロジェクト推進スピード向上が期待されています。

(出典:https://www.doi.gov/pressreleases/nps-expands-streamlined-environmental-reviews

3. 医療機関によるサステナブル経営:Providence Swedish病院グループ 11冠受賞

米ワシントン州最大級医療グループProvidence Swedishは、「Practice Greenhealth」主催アワードで全米最多となる11部門受賞という快挙を達成しました。同グループでは廃棄物削減、省エネ対策、有害物質排除、水資源管理等、多岐にわたるESG施策を展開しており、その成果が高く評価されています。医療現場でも脱炭素社会実現への貢献度合いが問われ始めていることを象徴しています。

(出典:https://www.swedish.org/news/uf/690983936?streamid=7723912

4. 世界エネルギー投資額 過去最高水準へ―クリーンエネルギー支出増加鮮明 

2025年には世界全体で3.3兆ドルものエネルギー投資額到達が見込まれており、そのうち再生可能電力や蓄電池、水素関連技術などクリーンエネルギー領域への支出比率増加傾向です。また消費財メーカー各社も自社調達網や製造工程全体で「持続可能性」を基盤戦略として位置付け始めています。「社会」「環境」両面から価値創造できない企業には厳しい時代になっていることもうかがえます。

(出典:https://www.supplysidefbj.com/food-beverage-operations/sustainability-news-and-insights-june-2025

5. 気候変動対応サービス:Antea Group USA グローバルイノベーションチャレンジ最優秀賞獲得 

気候変動適応策として注目されている「気候リスクアセスメントサービス」に関し、Antea Group USA社提供ソリューションがグローバルコンペ最優秀賞(Grand Prize)受賞。同サービスではAI活用型データ解析技術等も駆使し、高精度かつ迅速な気候影響評価レポート作成支援ツールとして評価されています。今後ESG経営高度化ニーズ拡大につれ、この種サービス需要増加にも拍車がかかりそうです。

(出典:https://www.charities.org/news/3bl?mid=1293966&pgno=1&fdpgno=1

まとめ

昨日6月11日は、「バイオマテリアル革命」と呼ぶべきほど、生分解性樹脂市場拡大予測レポート公開というインパクトあるニュースから、公的機関による制度改革、大手病院グループ・民間企業双方による先端事例まで、多層的かつ具体的前進事例報告日となりました。

特筆すべき点として、

バイオプラスチック” の本格普及フェーズ突入が明確になったこと、

そして

行政側でも迅速さ重視した制度運用改革

民間側でもESG起点の商品開発/調達/経営モデル刷新

――こうした複数軸同時並行型アプローチこそ、“次世代サステナブル社会” 実現への鍵だと言えるでしょう。

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