2025年6月12日に発表されたサステナビリティ関連の最新ニュースやレポート、論文からは、世界各地で循環型経済や気候変動対策に向けた取り組みが一層進展していることが明らかになりました。特に企業による廃棄物削減・再資源化、金融機関によるグリーンファイナンス推進、新興国での制度改革など、多様な分野で持続可能性を軸とした変革が加速しています。本コラムでは、その中でも注目すべき動向を厳選し、ご紹介します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. IMF:ルワンダのグリーンファイナンス改革と気候レジリエンス強化
IMF(国際通貨基金)は6月12日付けプレスブリーフィングで、ルワンダが同基金の「Resilience and Sustainability Fund(RSF)」プログラムを予定より半年早く完了したことを報告しました。ルワンダはこの枠組み下で、「グリーン公共財政管理」「気候投資管理」「金融機関向け気候関連リスク管理」「災害リスク低減」など多岐にわたる制度改革を実施。さらにグリーンタクソノミー導入や金融機関による先進的な気候リスク報告体制も整備しつつあり、情報ギャップ解消と透明性向上、それによる民間セクター参画促進という好循環創出への期待が高まっています。このような新興国主導の制度設計は今後他地域にも波及する可能性があります。
(出典:https://www.imf.org/en/News/Articles/2025/06/12/tr-061225-com-regular-press-briefing-june-12-2025)
2. Grupo Bimbo:包装材94%再生利用達成と電動車両拡大 ― 食品業界最大手の脱炭素戦略
世界最大級ベーカリー企業Grupo Bimboは、「2030年・2050年サステナビリティ戦略」の進捗として、包装材94%再生利用達成およびラテンアメリカ最大規模となる4,200台超の電動配送車両運用開始など、大胆な脱炭素施策を公表しました。また、「Good Neighbor」コミュニティプロジェクトでは28カ国530,000人以上へ社会的価値還元も実現。同社は2050年までにネットゼロ排出達成という長期目標へ着実に歩みを進めています。
3. Reworld™:廃棄物処理から“Waste Better”へ ― 革新的技術活用と顧客支援強化
米国Reworld™社は2025年度版サステナビリティレポート公開。「Waste Better」を掲げて顧客・地域社会双方への廃棄物削減支援や最先端技術導入事例等、多角的な成果を示しました。同社独自技術による資源回収率向上やCO2排出抑制効果など、“単なるごみ処理”から“価値創造型循環経済”への転換モデルとして注目されています。
4. WSP:自然再生・水危機対応プロジェクト等で複数受賞 ― サステナブルコミュニティ形成推進
カナダWSP社は「Sustainability Delivery Awards 2025」にて3部門受賞および3部門高評価獲得。「Future Ready®」マインドセット下、“Abbotts Meadow湿地再生”“Attawapiskat First Nation水不足緊急対応”等、大規模自然修復/生活インフラ改善プロジェクト群が評価されました。また製品ライフサイクル分析ツール開発やネットゼロ誓約推進活動も高く評価されており、多面的アプローチによる持続可能社会構築力が際立っています。
(出典:https://www.wsp.com/en-us/news/2025/multiple-wins-for-wsp-at-the-sustainability-delivery-awards)
5. Koozie Group:第5回ソーシャルインパクト&サステナビリティレポート公表 ― 米販促用品大手もESG本格化
米Koozie Group(販促用品大手)は、第5回となるソーシャルインパクト&サステナビリティレポート発行。詳細内容には触れられていませんが、自社バリューチェーン全体でESG課題解決へ積極姿勢を打ち出しています。BtoB領域でもESG重視傾向拡大中です。
まとめ
昨日6月12日は、新興市場政府主導の制度改革(IMF×ルワンダ)、食品業界トップランナー企業による脱炭素&資源循環モデル確立(Grupo Bimbo)、北米廃棄物産業プレイヤーReworld™ のテクノロジードライブ型“Waste Better”宣言、大手エンジニアリング会社WSP による自然修復/生活基盤改善事例群受賞など、こうした多様かつ具体的な成果報告・新方針発信の日となりました。
特筆すべき点として、
従来型CSR活動だけではなく、「システム全体」を見据えた抜本的変革=『循環経済』『ネットゼロ』『コミュニティ共創』志向が各分野横断的に広まり始めていることです。
また、新興市場政府×IFIs連携モデルや欧米民間主導イノベーション事例等、日本国内のみならず海外先端事例にも学ぶべきヒントがあります。今後日本企業でも、自社単独だけではなく外部との協働/政策連携/データ活用高度化等、“エコシステム思考” を意識した取り組み強化こそ競争力維持につながります。