2025年6月25日、世界各地でサステナビリティに関する重要な動きが報じられました。特に国際金融機関による新たな資金供給や、環境保護団体によるコミュニティ支援の訴訟、企業の持続可能な製品開発目標達成など、多様な分野で進展が見られています。本コラムでは、その中でも特筆すべき「IMFによるヨルダンへのレジリエンス&サステナビリティ・ファシリティ(RSF)枠組み」の承認を中心に、昨日発表された主なニュースや論文を要約し、ご紹介します。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. IMF、ヨルダンへの7億ドル規模のレジリエンス&サステナビリティ支援決定
国際通貨基金(IMF)は2025年6月25日、「拡張基金取極(EFF)」第三次審査完了とともに、新たに7億米ドル規模の「レジリエンス&サステナビリティ・ファシリティ(RSF)」枠組みを承認しました。これは気候変動対策や経済的ショックへの強靭性向上など、中長期的視点から持続可能性強化を目的とした資金供給です。今回の合意は、中東地域で気候変動適応策が急務となっている現状下で大きな意味を持ちます。
2. フロントライン・コミュニティへの3億ドル返還求めて環境団体が提訴
米国南部環境法センターは6月25日、「フロントライン・コミュニティ」へ本来配分されるべき30億ドル相当の資金返還を求めて連邦政府(トランプ政権)相手に提訴したことを公表しました。この資金は低所得層や有色人種居住地域など最前線で環境被害と闘う人々向けだったものですが、不適切配分が指摘されています。社会的公正と公平性確保というESG観点からも注目されます。
(出典: https://www.southernenvironment.org/news/we-want-to-get-frontline-communities-their-3-billion-back/)
3. 米EPA、西部エリー湖流域農家向け栄養管理助成事業4件選定
アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)は同日、西部エリー湖流域農家による肥料等栄養管理改善プロジェクト4件へ総額370万ドル超の助成金交付先として選定したことを発表しました。同地域では水質悪化防止および生態系回復が課題となっており、本施策は農業由来負荷低減と食料生産維持との両立モデルとして期待されています。
4. VSP Vision社、持続可能素材フレーム比率50%目標達成超え
アイウェア大手VSP Vision社は、自社製品フレーム素材について「2025年までに50%超」を再生材等持続可能素材へ転換するという目標について、本日時点で53%達成済みと発表しました。消費財メーカー各社でも循環型経営推進やグリーン調達基準強化が加速しており、市場全体にも波及効果が見込まれます。
(出典: https://www.optometrytimes.com/view/vsp-vision-surpasses-sustainable-eyewear-frame-goal)
まとめ
昨日6月25日は、多角的かつ実効性ある新たな取り組みや政策決定が複数報じられました。
特筆すべきはIMFによるヨルダン向けRSF枠組み承認です。同国のみならず中東全域で気候変動対応力強化につながり得る大型案件と言えるでしょう。また米国内では、公平かつ包摂的社会実現へ向けた法廷闘争や、水質改善×食糧安定両立型プロジェクト推進も顕著でした。一方民間セクターでもVSP Vision社例など循環型経営モデル構築努力も着実です。
これら一連の動きを俯瞰すると、「金融」「政策」「市民社会」「企業」それぞれ異なる主体間連携こそ今後さらに重要になることが示唆されます。当コラムでは引き続きグローバルトップランナー事例も含め最新情報をご紹介してまいります。