2025年3月21日は、サステナビリティとESG(環境・社会・ガバナンス)に関する重要な動きがいくつか見られた日でした。以下に、その主要なトピックをまとめます。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. アイルランドとイギリスの環境分野における動き
アイルランド財務省は、気候変動リスクマトリックスを発表し、気候変動がもたらす経済的・社会的リスクを評価するための枠組みを提供しました。また、気候変動諮問委員会は、国家気候損害登録の設立を推奨し、気候変動による損害を記録し管理するためのシステム構築を提案しました。また、英国持続可能投資金融協会(UKSIF)とTransition Risk Exeter(TREX)による報告書によると、英国経済は1410億ドルの化石燃料資産ストランディングリスクに直面しています。この報告書は2040年までに世界全体で2.28兆ドルの化石燃料資産が無価値になる可能性を示唆しています。
(出典: https://www.charteredaccountants.ie/our-impact/News/news-item/sustainability-esg-bulletin-21-march-2025)
2. ネパールでのフェアトレード研究ツアー
イリノイ州立大学の学生たちがネパールでフェアトレードに関する研究ツアーを行い、現地のフェアトレード生産者との交流を通じて持続可能な貿易と社会正義について学びました。このツアーでは女性や地域コミュニティへのエンパワーメントや伝統工芸品の保護についても焦点が当てられました。
(出典: https://news.illinoisstate.edu/2025/03/fair-trade-in-nepal-an-independent-study-tour-focused-on-social-impact/)
3. アフリカの鉱業におけるESG課題
国際エネルギー機関(IEA)によれば、2022〜2030年にかけて1800億〜2200億ドルの鉱物投資が見込まれ、その約10%がアフリカに向けられるとされます。エネルギー転換に不可欠な鉱物の主要供給地であるアフリカでは、ガーナやナイジェリアなどが鉱業利益の国内還元を目指し、法改正や現地参加の拡大を進めています。一方で、小規模採掘者の権利が軽視されるケースもあり、課題が残ります。ESG要因が企業にとって重要視される一方、世界経済の不安定さからその優先度が低下しつつあるとの懸念もあり、アフリカ鉱業における持続可能性の確保が引き続き求められています。
(出典: https://www.atlanticcouncil.org/blogs/africasource/in-the-scramble-for-africas-critical-minerals-the-west-must-not-abandon-the-esg-agenda/)
まとめ
アイルランドは気候リスク評価の枠組みを導入し、英国では化石燃料資産の座礁リスクが注目されています。また、ネパールでは米学生がフェアトレードの現場を訪れ、持続可能な貿易と社会的影響について学びました。アフリカではエネルギー転換を支える鉱物資源への投資が進む一方、小規模採掘者の権利軽視やESG優先度の低下といった課題も残ります。これらの動きは、気候変動・資源管理・社会正義をめぐるグローバルな対応の多様性と重要性を浮き彫りにしています。