2025年4月11日、世界中でサステナビリティに関する重要な進展が報告されました。企業の持続可能性戦略の進化、新たな投資ファンドの設立、そして国際的な賞の受賞など、多岐にわたる動きが見られます。本記事では、それらを要約し、最新動向をお届けします。
昨日のサステナビリティ最新トピック
1. Henkel社による持続可能性戦略の進展
ドイツを拠点とするHenkelは、2024年度の持続可能性レポートを発表しました。同社は気候変動対策や循環型経済への取り組みで大きく前進し、製品あたりCO2排出量を2017年比で64%削減しました。また、消費財包装材における再生プラスチック使用率を25%まで引き上げました。さらに、新しい欧州持続可能性報告基準（ESRS）に基づいた初めてのレポートも公開しています。
2. Excelsior Energy Capital、第2次再生可能エネルギーファンド設立
北米最大級の独立系再生エネルギー投資会社Excelsior Energy Capitalが、第2次ファンド「Excelsior Renewable Energy Investment Fund II」の最終クローズとして10億ドル以上調達したことを発表しました。このファンドでは既に15件（合計2.25GW）の太陽光および蓄電プロジェクトへの投資が行われています。
(出典: https://esgnews.com/excelsior-energy-capital-raises-1-billion-for-second-renewable-energy-fund/)
3. Specialty Coffee Association (SCA) サステナビリティアワード受賞者発表
SCAは、「非営利部門」でFairtrade International、「営利部門」でインド・バンガロール拠点Black Baza Coffee Co. をそれぞれ受賞者として選出しました。両組織とも、生物多様性保護や公平貿易推進といった分野で顕著な成果を挙げています。
4. ESG投資セクターへの政治的圧力増加
最近の報告によると、ESGに特化した資産運用会社であるインパックス・アセット・マネジメントは、2025年3月31日に終了した四半期において、資産運用額が26%減少し、331億米ドルにまで落ち込んだことが明らかになりました。これは、マイナスの市場リターンの影響を受けて、機関投資家のアカウント閉鎖が相次いだためとされています。このような状況は、ESG投資の基盤が政治的圧力や市場の不確実性によって影響を受けていることを示しています。
アメリカでは、トランプ政権下での規制環境の変化がESG投資に影響を与えており、特に「ネットゼロ資産運用者イニシアチブ」が「目覚ましいESGカルテル」として批判されています。一方、ヨーロッパでは、資産運用者のESG関連株主提案への支持率が81%と高い水準を維持していますが、インパックスの資産減少は、ヨーロッパにおいてもESGの魅力が失われつつあることを示唆しています。
また、持続可能性のアプローチを根本的に見直す必要性が叫ばれており、マーケットは「徳」よりも「価値」を重視するという意見も出ています。このような状況下で、ESG投資セクターは、持続可能性と経済的価値の創造をより明確に結びつけるアプローチの模索が求められています。
まとめ
昨日報じられた内容から、多様な業界や地域でサステナビリティ関連活動が活発化していることが伺えます。特筆すべきは、大手企業による具体的かつ測定可能な目標設定とその実施状況です。また、新興市場でも積極的な取り組み事例が増えており、この流れは今後も継続すると予想されます。一方で、一部地域では政治情勢によってESG関連活動への影響も懸念されています。このような複雑さにもかかわらず、多くのプレイヤーが長期視点から着実に前進している姿勢には希望があります。
